ハンモックとの出会い
楽なことばかりを選んで、人並みの努力からも逃げようとしながら生きてきた学生時代。
やはりその甘ったれた生き方のせいで社会にでて苦労して。
今の若者はなっとらん、とか言われておりますが、私もその一人だったのかもしれません。
社会にでて鍛えられて、それなりに仕事するようになって、気がついたら45歳。
二十歳を超えたぐらいから、思い出や記憶に残っているのは断片的な喜びや悲しみのシーンだけ。
感動のシーンって意外と残ってないものなんですね。
もちろん頑張って思い出そうと思ったら思い出せますが。
そんな日々を過ごしているときに、とある仕事でベトナム出張のお話をいただきました。
普段は腰が思い私ですが、勢いをつけている東南アジアのこの国を一度見てみたいという思いもあり、二つ返事でベトナム行きを決断。
今となってはこれが折り返しを過ぎた私の人生の分岐点となったわけですが。
そして、そのベトナムで出会ったものこそが、自立式ハンモック(折りたたみハンモック)だったのです。
ハンモックと言えばやはり南米や常夏の島の木にひっかかっているもの、といった印象でしたが、ベトナムにもあるものなんですね。
市場でハンモックに揺られてお昼休みをとっている老夫婦や、子供を抱っこして一緒に熟睡しているお母さんなどもいました。
ベトナムってハンモックが文化として根付いていたのですね。
自立式で持ち運びできて、どこでも利用できるこんな便利なハンモックがあるなんで、まさに目から鱗でした。
私も早速ハンモックに揺られてみたのですが、なんでしょう、この感じ。
ものすごくゆったりと寝てる状態でブランコに揺られてる感じに近いのでしょうか。
ただ、人生の中で寝転がった状態でゆったりと揺られている状態って、実はなかなか体験できないんですよね。
船や飛行機や車のように不快な揺れでもなく、規則的な心地よい揺れ。
それを寝転がった状態で体感できるのは、ハンモック以外にありえないでしょう。
これが私とハンモックの出会いだったのです。